香取神宮奉納
双頭蛇北方子図
平成十五年三月

日本の神を語る古事記の中に、伊邪那岐神と伊邪那美神の二神が八百万の神々を産み、最後に生まれた火神、火之迦具土神に焼かれて伊邪那美神が亡くなられた。悲しみにくれる伊邪那岐神が天之尾羽張之剣で火之迦具土神を切り殺し、天之尾羽張之剣から走り出した血から建布都神が生まれたとある。
建布都神のフツとは光を意味するとも言われ、光る剣は神霊の降臨する御形と見なされて、祖先は、猛々しい雷神や龍神の象徴として剣を崇めた。
龍神は水神様であるともされている。黒龍の黒色は水を表すが、黒は遠い祖先の色と言われる。それは御先祖から受け継いだ命が水とともに更新されることを意味していると思われる。また龍神とされる建布都神は一方で火神の火之迦具土神から生まれた火の化身でもあり、火と水のバランスは昔から五穀豊穣を、そしてあらゆる恵みを約束してきた。
御先祖から受け継ぐ恵みを守る黒龍を香取神宮の神様の御許にお納め致します。
平成十五年三月吉日

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