豊川稲荷東京別院奉納
九尾白狐馬乗図縁起
平成十四年二月

陰陽五行では、奇数を陽、偶数を陰とする。奇数の最大数の九は、陽の最大とみなされる。狐は頭が小さく、尾の方が太くなっていて、末広がりで御目出度い。
狐の色は黄、陰陽五行では土気を表わし、午は南の方角の火気を表す。火生土の法則で、午は狐を助ける。午の助けで狐の勢いは増す。
白は、西の方角の金気を意味し、土生金の法則で、白い狐は常に金を生む。
九尾白狐馬乗図は、九本という陽の最大数の尾を持つ狐が、常に午に助けられ、白い為に常に金を生むという画である。頭上の赤く丸い実は金気を意味し、より強い金気を強調した。雪の白も西の方角、強大な金気を意味する。狐は本来、陰の動物なので、夜の陰の満月の夜、極陽を担っている午に乗る事により、陰陽を満たして世の中が動く。金気を意味する西の方角は、易では沢、つまり少女を意味する。この白狐は、少女の役も担っている。少女の本質も金気を隠している。
この様に、陰陽五行の法則を駆使し、人々の豊穣を願って描いた作品である。

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