江島神社奉納
双頭蛇北方子図
平成十五年五月
古来 日本人は農耕を食の根幹として来た。自然からの恵みに感謝して、また優れた観察力で蛇の相手を丸呑みする程の強さや柔軟な動き、脱皮して新生する様を学び取り、竜蛇神として崇めて来た。
陰陽五行の中で青は春を、白は秋を表す。双頭の蛇は頭が白、胴体が青で前の歳の恵みを次の歳へ引き継ぐ事を表している。絡み合った胴は強い流れを意味する。また冬を意味する北方には子を配した。子の本質は増える事にあるとされている。前の歳に頂いた恵みが冬を越して更に増えて翌歳の春に引き継がれる。
祖先から受け継ぐ心の拠り所としての竜蛇神と実りの子を五穀豊穣と海の幸を祈願して描いた。